2011年2月27日日曜日

S家の宴


ヴァカンス最後の土曜日、息子は朝から弓道の稽古へ。
17区の外れにある体育館まで片道1時間弱.....。
正直、週末の早起きは辛い。
いずれは一人で通えるようにならないと、武道をやる意味がない
と思いながらも、心配で今朝は夫が車で送って行く。

「弓道をやりたい」と突然、息子が言い出したのは去年の暮れ
あたりのこと。たまたま知り合いの日仏夫妻が先生だったことを
思い出し、見学に行ったのが2週間前。
凛とした美しい袴姿で武道に臨むフランス人たちを見て、息子は
すっかりやる気満々になってしまった。
フランスでも日本の武道は人気があって、柔道や剣道など教室が
いくつもあるけれど、弓道はとても数が少なく全国で300人
ほどしかいないらしい。
なんで弓道?! 
子どもが新しいものに興味をもつ切っ掛けは無限、いくらでも
あるけれど、こんなにマイノリティなものを選ぶなんて.....面白い。

まずは正座の訓練にはじまり、古来から守られてきた所作など
覚えることも多く、心身の鍛錬にはとてもよさそうだ。
息子自らやりたいと言い出したことだから、長続きしてくれる
ことを願うけれど、目下の目標は親の早起きからか.....?!

夜はS家にお呼ばれ。
噂に聞いていたデザイナーのK司くん自慢のお肉料理を
ごちそうになれるらしい。楽しみ〜!
19時半すぎ、お宅に到着すると粋なエプロン姿のK司くんと
ピアニストの奥さまTちゃんが二人揃ってお出迎え。
すでにN家、T家のおなじみの面々はシャンパンを飲みながら.....
宴ははじまっている。

タイ風のソースで頂く
海老のふわふわ揚げ
デザイナーらしい....ステキなお宅

A TABLE〜!でK司くんが男女交互に席を決めてくれる。
R三さんは子どもたちのために用意してくれたお子様ランチ風の
お皿の方が気になる様子...。
色鮮やかな食花が飾られた前菜は、サーモンとブリーニ。
このまろやかなソースはなに?! まるでクリスマスみたいだ。
Tちゃんというと、どうもケーキのイメージがあって、プロ並みの
本格的なお菓子をなんどかごちそうになったことがある。
「Tちゃんは完璧主義だから、お料理の腕前も半端じゃない」って
Y子ちゃんも言ってたっけ。納得〜。

まるでレストランみたい!!

ハンバーグ、ポテトサラダ、海老ピラフ...
王道お子様ディナー


お肉担当のK司くんがキッチンに入り、代わってTちゃんがテーブルに
戻って来る。
ホタテの南蛮漬け。
野菜の甘み、ほどよい酢加減、ピリッと唐辛子が効いて.....なんでも
前日から漬け込んでいたらしい。
カリフラワーもあっさりクリーミーなソースがとっても合っている。
上に散らしたローズペッパーもオシャレでかわいい。
「こんな風に料理してくれたら、カリフラワーだっていくらでも
食べれるね」とR三さん。
確かにそう。フランスでカリフラワーというとたいていピクルスや
ピュレにして、かなり地味な存在であることが多い。
キリッと冷えた白ワインも美味しく、最高のセレクション。
う〜ん、友だちの家のごはんって、ホント勉強になるな.....。

このあたりで私が調子にのって、友だちのスキャンダル話?!を
はじめ、会話の質を下げたとZに叱られる。
女性週刊誌みたいな話しをして....おばさんと言われてしまった。
ううう.....確かに。反省。
でも今夜のメンツだもん、許して?! ギャハッ!

柔らかくマリネされたホタテ
カリフラワーのクリームソース

じゃ〜ん!いよいよ登場の本日のメイン、K司くんのお肉料理。
この包みはなに? ブリックのような皮にお肉が包まれている。
パカッと蓋のように外すとステーキが! う〜ん、すごい!
お肉の焼き加減、エシャロットのソースも絶妙、最高だ。
こんなに上手にお肉を料理できる旦那さまがいるなんて、Tちゃんが
羨ましい〜。
お肉って、素材選びにはじまってそれを上手に焼くのは、シンプル
だからこそ意外に難しいもの。
その繊細な風貌からは予想外?!の男らしい肉料理に、K司くんの
意外な一面を垣間みたようで.....感動してしまった。
もうこれからお肉が食べたい時は、S家に行くことに決〜めた!

毎週食べたいK司くんのステーキ
食事が終わり、みんなほろ酔い気分で.....いい雰囲気。
ギターを片手に、Zが歌い出す。
あれれ? 子どもたちがなにやらごそごそ動きだし、ケーキが
運ばれて....
「Happy Birthday TSUSTU〜!」ちょっと過ぎたけど...。
ワ〜イ、夫の誕生日を覚えててくれたんだ。
思いがけないサプライズに夫も大感激!
Tちゃんお手製のシフォンケーキに子どもたちがチョコで文字を
描いてくれたらしい...けど読めない?!
アラブ語か?! でもバッチリArtしてて美し過ぎるじゃないか!!

サプライズの誕生日ケーキ
N家から頂いたプレゼント! 
懐かしいだるま...。

いつもは夜型のみんなに付き合いきれなくて、早めにご帰宅する
早起きRocker Zも、ギターを手に今夜は珍しく絶好調な様子。
M穂ちゃんもいい感じでリラックス。
いいね、友だちって.....。
歌ったり、みんなで写真撮影したりで大いに盛り上がり...楽しくて
今宵も2時過ぎまで.....。

K司くん、Tちゃんありがとう。





2011年2月21日月曜日

LONDON 4


今回のロンドン旅行、タカから「ライヴにおいでよ」と誘われて
その気になっていたところ、ちょうどその日が息子のヴァカンスと
ドンピシャ重なることがわかって、すぐにネットでホテル探しを
はじめたのが1月半ば。
いつも利用するExpediaのサイトで偶然見つけたプロモーションは、
Piccadilly Circusから徒歩1分の5星ホテルM。
通常の65%オフという破格の価格になている。
ユーロスターと合わせて一人300Euros、すぐに飛びついた。
最近リニューアルを済ませたばかりで、どこもかしこも真新しくて
気持ちがいい。しかもファミリー向けのジュニアスイート。
シーズンオフとはいえ、これはかなりラッキーだった。

どこに行くにも徒歩かバス...
便利なのがいい


最終日。午前中はショッピング。
息子がアバクロ、アバクロと旅行前からずっと言っている。
パリにはまだブティックがないので行きたいらしい。
ついこの間までゲームのソフトやカードで大喜びしてたのに、洋服が
欲しいだなんて.....そろそろそんなお年頃。
オシャレに目覚めてきたってわけだね。

Savile RowのAbecrombie&Fitchに行く。
ここがブティック?!
名前がどこにも出ていないので、つい見過ごしてしまいそう。
でも中に入ると、ものすごい人、人、人......。
試着するにも行列、レジも行列、まるでバーゲンセール並みの
混雑だ。パーカ、シャツ、スウェット...確かにアメリカンな
コットンの風合いは気持ち良さそうだけど、値段は決して安い
わけじゃない。う...ん、わからな〜い!


ここがブティックだなんて.....

Libertyのショウウィンドウ
メチャかっこいい!

ランチはRoyal China。
今回、最後のごはんだもの、美味しい飲茶をしっかり食べたい。
イギリスも学校が休暇中らしく、店内は子ども連れの家族が目立つ。
いろいろ少しずつ楽しめる飲茶は、子どもにも大人気のようで
どこのテーブルも賑やかだ。
いいな〜、パリにもこんな店があったらいいのに...と息子。
いろいろ食べたけど、やっぱりここの飲茶が一番好き。
店のサービスも味付けも洗練されていて、他のチャイニーズとは
ちょっと違う。
でもここの料理、一品の量が多すぎないか?!
もっといろいろ食べたいけどもうお腹がいっぱいで、デザートまで
とてもいけない。う....残念。

海老、ホタテの蒸し物を...
肉まん、湯葉巻き...
スペアリブの豆豉風
絶品! クリスピー焼そば
カニ肉たっぷりのスープ麺

ランチの後は、TATE MODERNに。
コンテンポラリーの美術館は、息子の年齢でも先入観なく
好奇心いっぱいで楽しめるのでいい。
食後の散歩にもちょうどよく、テムズ河沿いを少し歩く。

発電所を改装した巨大な美術館
常設の展示フロアはすべて無料
ドイツの思想美術家、Joseph Beuys
Magdalena Abakanowiczの作品

まる3日間、フルに歩いて回った今回のLondon。
行きたいところ、見たかったもの、食べたかったものはほぼ
クリアできたかな?! いやいや、まだまだ全然時間が足りない。
もっともっと〜、あれもこれもでロンドンには心魅かれるものが
溢れているのだ。
ユーロスターで2時間半。近いからまたいつでも来れるもんね。
タカ、サンキュ〜。
またFEEDERのライヴに合わせて遊びにいくからね〜!



2011年2月20日日曜日

LONDON 3


ロンドン2日め。
9時半、目覚ましの音で奇跡的にすっきり起床。
あ〜、よく眠った気がする。
早速、今日の予定を効率よくこなさなくては...。
朝食もそこそこにホテルを出発。

バスに乗ってChelseaへ。
まずはPimlico roadのオーガニックショップ、Daylesfordに立ち
寄る。
もともとはコッツウェルズ地方の小さなカフェからはじまった店で、
いまでは自社農園で生産、食材からカフェ、食器や衣類まで
総合的なオーガニックライフを提案していて、最近日本にも出店して
人気を集めているらしい。さすが....日本はなんでも早いな。
全然知らなかったけど、どんなものかちょっとのぞいてみよう。

噂に聞いていたとおりカフェは、休日のブランチをする若い
ファミリーですでに満席。
でも食事しているテーブルの間に雑貨が陳列してあったりで、
スペースがあまりに狭くて食べてる方も見てる方も落ち着かない
ような.....気になる食器を手に取ろうとしたら、食事しているマダムの
マルベリーのバッグが邪魔していたり。
食材売り場もよくみるとフランスメイドが多かったりで、いまひとつ。
でもお惣菜はどれも美味しそうだな〜。


思っていたより小じんまりしたお店
お利口な犬....
photo by gaku

まあ、こんなものか....ちょっと期待ハズレな気分で早々にランチへ。
ブラブラ歩いて、Elizabeth streetにある噂のGastropubに行く。
ぜひ行ってみて!ロンドン在の経験があるピアニストのT代ちゃんが
勧めてくれたリストの中から選んだレストラン The Thomas Cubitt。
予約を取らない人気店だというから、早めに行かないと。
案の定、開店12時前だというのに、すでに外で待つ人が....。

ここがパブ?!
全面ガラスの瀟洒な店構え
息子が頼んだハンバーガー
お店のスペシャリテ、
特製パイの中は濃厚ビーフシチュー
上品仕立てのフィッシュ&チップス

T代ちゃんのアドバイスどおり、ガストロパブとはイギリス版
ビストロでパブも併設されている...という感じで、確かにオシャレな
雰囲気が漂っている。
客層も地元の若いBOBOなカップル、ファミリーといった感じで、
席について間もないのにあっという間に満席になってしまった。
伝統的なパブ料理がモダンに洗練されていて、確かに新鮮。
さっそくLONDONアドレスに加えておこう。

食事の後は、解散。自由行動。
夫はSavile row、Jermyn st など...英国紳士御用達通りへ。
私はShopping、息子はホテルでお昼寝。
夕方ホテルで合流して、Nちゃんお勧めの台湾レストラン
LEONG LEGENDSで早めの夕食をする。

18時過ぎ、ちょっと早過ぎた?!っと思っていたらとんでもない。
すでに満席、メニュを片手に少し待たされる。
相変わらず人気のお店....みんな美味しいところはよく知ってるね。
名物の小龍包を頼んで、ちょこちょこっと軽めに食事を済ませる。
というのも、今夜はこれから今回のロンドン旅行の一番の目的
でもある友だちのバンド、FEEDERのライヴに行くのだ。
さすがの私たちも、お腹をいっぱいにしていくという気分じゃない。
いまから胸がいっぱいで、ワクワク。食欲もいまひとつなのだ。

若い人に人気の台湾料理店。
いつ行っても満席。
一番人気の小龍包

会場はカムデンタウンのROUNDHOUSE。
パリでいうBATACLANのような歴史ある場所らしく、すでに前座の
バンドがはじまっていてものすごい熱気。Yeah〜!!
タカからSMSが入る。
「いまどこ?」「まだホテル。いまから会場に向かって歩いて行く」
な〜んだ、だったらホテルに直接会いに行ってもよかったかもね?!

すばらしいライヴ会場、ROUNDHOUSE
期待通り、いやそれ以上のライヴ!
さすが英国バンド、ファンの熱気が違う

ライヴは期待どおり、いやそれ以上。
やぱりFEEDERはイギリスの国民的バンドで、ファンの意気込みも
熱気も半端じゃない。
このバンドをリスペクトする人たちのパッションがビシバシ
感じられて、パリのライヴとは違うな...と感慨深く、思わず胸が
熱くなる。
タカ、いい感じ! 最高だよ〜!
未成年の息子を気遣って、見やすい二階の招待席を用意して
くれたけど、やっぱり最前列で見たかったな...。
これからこのバンドのライブは、もう絶対にイギリスで見ようと
心に決めた!

ライヴの後、BARでバンドのメンバーたちにご挨拶。
息子共々、去年の11月、パリのライヴで会ったもんね。
みんな最高にサンパな人たち。
FEEDERのツアーはまだまだ続いていて、来週からオーストラリア、
その後はイタリア〜スペイン、ポルトガルを回るらしい。
ベースのタカは本業の音楽以外にも、多彩な趣味を持っていて料理の
腕もかなり本格的。
最近、外国人向けに日本料理のレシピブログをはじめたので、ぜひ
のぞいてみよう!

cookmejapanese.com
www.feederweb.com/




2011年2月19日土曜日

LONDON 2


Brick Laneを後に再びバスに乗り、London Bridgeを目指してGO!
目的はもちろんBorough maket。
テムズ河に架かるロンドンブリッジから歩いてすぐのこの市場は、
昔からロンドンっコたちの胃袋を支え続けている歴史あるところ。
毎週、木金土曜日しかやっていないので、今日を逃すとチャンスは
もうない。なにがなんでも行かなくちゃ〜。
食通の友だち、Nちゃんに連れられて去年はじめて来たこの市場。
飲んだり食べたりの屋台、持ち帰りもできる食材が選取りみどり。
こんな楽しいところがロンドンにあったなんて....すっかり感激!
しかも最近は、オーガニック食材の店がものすごい勢いで増えて
いると聞いている。興味深々、しっかりチェックしてこよう!!

16時半、そろそろ店じまいの時間
でもものすごい人、人、人...
ジュースバーももちろんオーガニック
オリーブの実も当然、オーガニック。

イタリア、フランス産....オリーブオイル
有機小麦粉のパン屋。
どれも美味しそう!
農家直送、リンゴ好きにはたまらないっす!

フランス同様、イギリスも大変なオーガニック人気らしく、あらゆる
食材がオーガニックを掲げている。
美味しいだけでなく、安全な食材を求めている人が多いんだな〜と
あらためて驚く。
駅の売店もスーパーもレストランも、どこもかしこもオーガニック。
だけどここまでオーガニックといわれると、果たしてどこまでが
本物のオーガニックなのか、その基準が疑わしくなる。
それはフランスでも同じだけれど...。

オリーブ、サラミ、チーズをつまみ食い、お土産にとちょこちょこ....
こういうショッピングって最高に楽しい!
やっぱりやめられないな〜。
次は女友だちといっしょに来ようっと。

マーケットで散々つまみ食いした後、いったんホテルに戻る。
今夜はスペイン料理。すでにパリから予約してある。
もうけっこうお腹がいっぱいだし....でも貴重なロンドンでの一食、
初日の晩餐を抜くわけにはいかない。
育ち盛りの息子はお腹がすいた〜!っと言ってるし、取りあえず
サクッと軽く食べに行こう!で、El Pirateへ。
ロンドンでなぜスペインごはん?!って気もするけど、いろいろ
あってここは思い出深いレストラン。サンパで大好きなのだ。
タパスをいろいろ頼んで、締めはイカスミごはんとガリシア風
レンズ豆。
メチャめちゃ美味しかったけど、残念ながらあまりに照明が暗くて
写真が真っ黒クロすけ! 美味しい思い出は心に焼き付けておこう!

しっとりサクサクPan con tomate
イベリコ、イカリング、ピーマン
柔らかタコのパプリカ風味
El pirate
5-6 Down street Mayfair london



LONDON 1


パリ北駅から9時13分発のユーロスターに乗り、ロンドンへ。
時差1時間があるから、所要時間は約2時間15分。
10時半にはロンドンSt-Pancras駅に到着する。
便利になったな〜。
Mayfairのホテルにチェックインしてまずはお昼ごはん。
ブラブラ歩いてチャイナタウンに行く。
飲茶を主にいろいろ頼む。
パリにも中華レストランはたくさんあるけれど、ヴェトナム系が
多いので、ロンドンとは全然違う。
ロンドンの方が日本の中華料理に近いような.....だからとっても新鮮。
特に飲茶は、あれもこれも食べたいものばかりで迷ってしまう。

タロイモのコロッケ
海老しんじょうの湯葉巻き
辛み海老ワンタン、蒸しニラ餃子
熱々の肉まん
干しえびのおこわ
クリスピー焼きそば

お腹がいっぱいになったところで、まずはBrick Laneへ。
リバプールストリート駅でバスを降りて、北に向かって歩く。
イーストロンドンにあるこの地区は、バングラディッシュ系の移民が
多く住んでいて、カレー屋や庶民的な雑貨屋が並んでいる。
ここ10年ほど前から新鋭デザイナーのブティックや古着屋ができ
はじめ、今やすっかりファッションの発信地となっているらしい。
倉庫あとや路地裏に思いがけないオシャレな店があったりして、
ブラブラ歩くだけで楽しい。
特に日曜のサンデーマーケットは、アンティーク&ガラクタ市が
出てさらに活気があって大変な賑わいとなる。
息子はここでロックT やお土産にバッジなどを見つけて、かなり
楽しんでいる様子。
前回いっしょに来た時はまだ小さかったし、退屈してオモチャを
買ったり飲みものを与えたりであまり楽しめなかった記憶が....。
大人になったもんだ。うれしいな〜。

日本人の屋台を発見!
唐揚げ、カツ丼、天丼、みそ汁が...
思わず目を引く個性的な店が....

昔、レンガ(ブリック)工場があった場所らしい
グラフティの街としても有名!