2012年10月30日火曜日

冬時間


冬時間になり、パリもすっかり日が短くなりました。
乾いた空気に暖炉の燻した香りが入り交じったような...
早くも冬の匂いがします。

夕暮れの市庁舎

朝起きると、まずやかんでお湯を沸かす。
大きめの急須にお茶の葉を入れ、しっかり濃いめに出したお番茶を
大きな湯のみでたっぷり飲む。
眠っていた頭も身体もみるみる軽くなっていくのを感じる。

最近は、友だちに勧められたごぼう茶を毎朝飲んでいる。
ごぼうは食物繊維が豊富で、利尿作用、血液もキレイにするので
お酒を飲む人にはとくに良いらしい。
お茶といってもごぼうを天日干ししただけのもので、ほのかに香る
ごぼうの自然な風味がとても美味しい。
しばらく飲み続けようと思う。

最近は、友だちとこんなはなしばかり。
身体にいい...美容にいい...みんなそういうお年頃ってことなのね。
ふ〜ッ。

熊本県きくち村の
ごぼう茶


近頃、オシャレに目覚めはじめた息子が、ジャカードの
セーターが欲しいから一緒にみてほしいという。
とりあえずLes Halles界隈を回ってみたけれど、コレという
ものもなく、前から気になっていた古着屋をのぞいてみる。
KILO SHOP という名前のとおり、ここは八百屋や肉屋のように、
目方で古着を売るお店らしい。
例えば540gのセーターは10.80€、400gの革製バッグは8€、1,7kgの
毛皮のコートが34€と、まあこんな調子。破格の安さだ。
ところ狭しと置かれた古着の山、この中から掘り出し物を探し
当てる楽しみ...いったい何時間いただろう。
まもなく両手に持てないほど抱えて、鏡の前で試着。
が、サイズが...どれも大きすぎ。
結局、息子がアバクロのネルシャツを数枚見つける。
ほどよいクタクタ加減が古着ならでは...いい感じ。
さっそくレジの量りにのせる。
シャツ3枚.....920g......18.4€なり〜!

肝心のジャカードのことなど忘れて、すっかりいい気分。
わ〜い、ここ好き。
これからの季節、仮装用の小道具を見つけるのにも使えそう。
また来ようっと。

69-71 rue de la Verrerie 75004 PARIS

3フロアの大きな古着屋
タグの色で値段が違う

2012年10月28日日曜日

Midnight in PARIS


相変わらず食べて飲んでます...。
パリの左岸で右岸でいつもの友だちと...。
もうホント、誰にもとめられません。

まずは北マレに新しくできた魚介専門のタパスレストラン、
l'ilotでアペロを。
白ワインにブルターニュ産の生牡蠣、Bulot、自家製タラマを注文。
パリでこんな風に気軽に魚介が食べれるお店は珍しい。
早くも評判を聞きつけた地元のboboたちでいつも大賑わいだ。

テラスまでいっぱい
アペロ向きのBar
お次はタクシーに乗り込み、モンマルトルへ。
Abbessesの人気スペインバール、ここも地元っ子たちで超満員。
う〜ん、バールはこれでなくっちゃね。
カウンターでリオハをグラスで飲みながら、席が空くのを待つ。
ここは場所柄、年齢層がちと若い?!
カップル、合コン、女子会...と店の外まで人が溢れている。
こちらも女子3人、スペインタパスをつまみながらワイワイ、
おしゃべりが止まらない。

若者の熱気でここもそろそろ...
次の店を探してAbbessesを歩いているうちに、突然
「サルサが踊りたい!」とM穂ちゃんが言い出す。
そう、彼女はお酒を飲んで気分が良くなると、すぐに
踊りたくなるのだ。
というわけで、ラテン音楽が流れるHavana Barへ移動。
モヒートを飲みながらクルクル〜、でもなんだかまだもの足りない。
もっと広いところで踊りたい!
で、バスティーユ近くのClubへ。
ここで何件め...いったい何杯飲んだんだ...?!
店が閉店時間になり外へ出されると、朝5時半。
ひぇ〜、こんな時間まで遊んでしまった。

Abbessesの人気バール
巨大ラテンクラブ

家に戻ると息子が優しい寝息をたてて眠っている。
ほ〜、良い子じゃ。
ちと罪悪感を感じながら...バタンキュ〜。
そのまま昼まで爆睡。


そして週末は...M帆ちゃんの誕生日会。
いつもの女子全員参加となれば、これはもう当然、女子会だ。
寒いから外に出たくないという夫君のAを、半強制的に追い出し?!
7人でワイワイ、熱々のお鍋を囲む。
レストランもいいけど、やっぱり冬はこれだよね〜。

T子が持ってきてくれたAOKIのガトーに、少なめのろうそくを
立てて...
M帆ちゃん、おめでとう〜!

真ん中にいるのは...
息子のウルトラマン?!

ますます美しく!

0時過ぎ...宴たけなわの頃、どやどやとほろ酔いになった友だちを
連れてAが帰ってくる。
マレのイタリアレストランで男4人、ピザを食べていたらしい。
ここで誕生日会は突然、メンズを交えたダンスコンテストになる。
JUST DANCE wii 、これがけっこう面白い。
気がつけば、2時過ぎ...。

今週もたくさん飲んで食べて、そして仕事して遊びました。
みんなありがとう。

なぜかファッションが同じ4人!
こんなゲストも


2012年10月20日土曜日

子離れ


このところ毎日、雨が降ったりやんだりのパリ。
どんより垂れ込めた雨雲を眺めていると、ちょっと気が
滅入ってしまう。

FIAC 現代アートの大展示会が今年もグランパレをメイン会場に 、
123の世界を代表するギャラリーが参加して開催された。
金曜日はノクチューンで、夜の22時まで見られるというので、
学校帰りの息子と待ち合わせをしてでかける。

フランス最大の現代アート展
ガラス天井から光が...
T.Murakami
C.Boltanski
J.M.Basquiat
Neon Sign

会場内は大盛況。
今は亡きアート界の巨匠から新人アーティストの作品まで...
アペロの時間帯ということもあり、ギャラリーでは顧客たちに
シャンパンが振る舞われている。
3500€から最高20.000.000€(約20億円)まで...ユーロ危機、EU崩壊と
危ぶまれる中、不況知らずのアート界?!なわけないか...。

つかの間のアート鑑賞、息子も興味津々でひとつひとつ
覗き込みながら、写真を撮ったり、カタログを集めたり楽しそう。
コンテンポラリーアートには、先入観をなにも持たない子どもの心も
がっちり掴んでしまう自由とエネルギーが溢れている。
来年も必ず足を運びたいと思う。

シャンゼリゼもすっかり秋の色

そろそろお腹が空いた、なにか食べて帰ろうか...。
迷わず一致で、Kunitoraya2へ。

あれれ、Sくんだ!
そういえば、先月からバイトに来ているって聞いていた。
数年ぶりに会うSくん、真っ白なユニフォームがとても似合っている。
7歳違いの息子とすこし照れくさそうに立ち話し...立派になったな。

南瓜のポタージュ
烏賊の南蛮漬け
カツオのたたき
鶏の唐揚げ

〆の国虎うどん
ストウブ鍋の特製たぬき
Gスペシャル!デカッ。

最近、口数の少なくなった息子が珍しく饒舌に話しはじめる。
音楽のこと、友だちのこと、学校のこと...心のうちをポツリポツリ。
場所が変わるとこんなになるんだ?!
なんだか単純すぎてちょっと安心する。

「いい加減、子離れせんと〜」大将のMとちゃんがからかう。
金曜日の夜に、ママとこんなところでご飯たべてちゃ
ダメなんだと。
そうですかね.....全然いいと思いますけど。

まだまだ話し足りなくて、デザートはハーゲンダッツの
アイスクリームカフェで。
夫は留守、たまには息子とこんな夜を過ごすのも悪くない。

2012年10月13日土曜日

人生の師


K三さんからひさびさに食事のお誘いが。
「Gくんもぜひ一緒に!」めずらしく、息子も声を掛けてもらう。
思いがけず大人サマ扱いを受けて、少々緊張気味の息子...。

レストランTOYO

20時半、3人でレストランTOYOへ。
オーナーのTくんは、K三さんのお宅でプライベートシェフとして、
各界のセレブたちの舌を唸らせてきた料理人。
コテコテの熊本人である。
Tくんのお料理は、なんと表現すればいいだろう...。
思いがけない食材の組み合わせ、繊細な調味料の使い方...日本料理や
フランス料理という域を超えたTくんの世界。
いつも新鮮な驚きがあってワクワクする。
百聞は一見に如し...まずはぜひ食べてみてほしい。

秋の野菜、セップ、ハーブ...
Bulot、タコ、蓮根...アミューズ
タラバ蟹のスフレ
キャビア
イカ、カラスミ、ウニ...

引退後は長年の夢だった絵を描きながら、パリとモナコを行ったり
来たりしているK三さん。
デザイン業も自分が本当に好きな仕事だけを選んで...と、70歳を
過ぎたいまも旅行したいところ、やりたいことが山ほどあって
とても時間が足りないという。
こんな風にイキイキと年を重ねていけたら、どんなに素敵だろう。

14歳の息子にもあれこれ尋ねてくれる。
学校、友だち、将来、フェイスブックの楽しみ方...?!
息子の話にも質問を交えながら、真剣に耳を傾けてくれる。
パソコンも試行錯誤で覚えているらしい。
朝は毎日近くの公園を5キロほど歩くのだという。
新しいことをいまさら勉強するなんて、寒いから外に出るのは
やめよう...怠ける理由はいくらだってあるはずなのに。
K三さんの驚異的な若さは、こうした日頃の努力あっての
ことなのだ。

「歳の差、50歳だね!」と笑うけど、とてもとても...。
そういえば息子が産まれた時、発売されたばかりのAIBOを
贈ってくれた。
当時、ものすごく話題になっていて、入手困難と言われていた
超レアなロボット犬だ。
確かK三さんの家にもAIBOがいて、ちゃんと躾けるといろいろ
出来るようになるんだよとうれしそうに言っていた。
うちのAIBOは、その後まもなく歩きはじめた息子がお尻で
踏んで、前足を骨折させてしまったのだけれど...。

10代の少年の世界に...
伊勢エビの手打ちパスタ。
絶品!
小豆とアイスクリーム
少し風邪気味と言いながらも2本めのワインを開け、懐かしい
はなしに笑ったり、ちょっと切ない気持ちになったり...。
家族のようなintimeな時間が流れていく。
思えばK三さんと出会ってかれこれ四半世紀...夫はもっとそれ以上、
いまも変わらずとても大きな存在だ。
こんな素敵な人生の師が近くにいてくれるって、なんて
心強いことだろう。
K三さん、これからもずっとずっと輝いてくださいね。

2012年10月11日木曜日

秋たけなわ


秋たけなわ...収穫の秋、食欲の秋。
マルシェにも旬の食材が溢れているいます。

よく熟したいちじくは生ハムに、マスカルポーネチーズと
松の実を添えて。
一度食べると病みつきになるほど美味しい。
黒々と果肉の詰まった大ぶりのプラムはコンポートに。
いや、やっぱりパイ生地にのせてタルトを作ろう。
キノコの王様、セップ茸、ジロール茸...ジビエ、アンコウ...
あれもこれも見るものすべて食べたいで、秋は胃腸も忙しい。

いまが食べごろ...無花果
キノコの王様
秋の紫陽花

T家から夜ごはんのお誘い。
近所のベトナムレストランへ行く。
映画公開の初日を見届けて、数週間ぶりにパリに戻ったM穂ちゃん。
親しい友だち家族、10名ほどが集る。
食べて飲んで...それでもまだ飲み足らなくて、T家に移動。
到着したばかりのワインの箱を開け、またまた飲みはじめる。
Zがギター、となりでM穂ちゃんが歌って...とってもいい感じ。
ちょっとのつもりが2本、3本、4、5、6本...いつの間にか箱が
空になっている?!
あれれ、青のりのいい香りが〜。
Zがキッチンに入り、チャーハンを作ってきた。
みんなでまたワイワイ、スプーンでパクつく。
この揺る〜い感じがいいんだな。
お尻に根が生えてしまって動けない...。
秋の夜が深まっていきます。

またまた、飲んでしまった...

2012年10月7日日曜日

大人の時間


早いもので、もう金曜日。
一週間があまりにも早くて、もう本当にいやになる。

午後、Nちゃんと待ち合わせして友だちの誕生日プレゼントを探しに
merciへ行く。
ここはファッションからインテリアまで、他ではあまり見つからない
雑貨や家具があって、いつもワクワクする。

正面、パンサー柄のコーナー
BOBOな雰囲気がいい
ノスタルジックな色合いのお皿...

オシャレなM帆ちゃんに気に入ってもらえるプレゼント...
着るものだけでなく、家で使うものも抜かりがないって感じだし...
ちょっと緊張する。
Nちゃんとあれやこれや迷った末、北欧風のキレイな色合いのお皿と
セルヴィエットと合わせて買う。
これで安心。ウフフッ、早く渡したいな〜。


翌日の土曜日、今日はNちゃんの誕生日。
ひさびさに最強女子が集合する。
しかも、この夜はNUIT BLANCHEの日。
NUIT BLANCHEとは、パリ市が主催する現代アートのイベントで
街のあちこちで朝まで催しものが行なわれる。
みんなでお洒落をして外に繰り出そう!ということになった。

それなのにそれなのに...朝から雨。
プレゼントの入った大きな紙袋を持ち、傘をさしてバス停に向かう。
待つこと10分、15分...バスが来ない。
約束の時間まであと10分。
これじゃEcole Militaireまでとても間に合わない。
運良く空車のタクシーを見つけ、乗り込む。
ところがセーヌ河沿いは大渋滞。
まったく先に進む気配はない...。
歩いてわずかのSt-Michelまでたどり着いた時には、すでに
20分が経過...料金メーターは24€だと?!
もうダメダメ〜、車は諦めよう。
土砂降りの中を走って、とりあえず地下鉄の階段を降りる。
ふ〜ッ、さてさてEcole Militaireまでは何番線だ?!
ところがこんどは近視用のコンタクトレンズをしているせいで、
地下鉄の路線図がぼんやりしか見えない。
いや〜、歳をとるってもうホントにイヤ。
横にいた親切そうな兄ちゃんに訪ねる。
まずはRER郊外線でInvalidesへ、そこからメトロに乗り換え。
Ecole Militaireってこんな遠かった?
パリってこんなに広かった?
メトロはなぜだか間引き運転...しかも通勤ラッシュ...。
もうプレゼントの紙袋はグジャぐじゃ、ブーツもお帽子も
ビショびしょ...みんなを1時間近く待たせちゃっているし...。
涙が出そうになってくる。
やり場のないこの気持ち...家に帰りたい...。
こんな日は外なんて出るべきじゃなかったかも。
パリなんて大キライ...。
メトロのホームから泣きたい気持ちを抑えながら、メールする。
ところが、こんな思いをしているのはわたしだけじゃなかった。
なんとT子もコンコルド広場の大渋滞に巻き込まれ、家を出てから
1時間半...もう車を捨てちゃいたいと泣いていた。

そんなこんなでレストランに全員が顔を揃えたのは、21時すぎ。
このお店、2回転するので、21時半には出てほしいと予約する際に
言われていた。
さぁ、急いで食べるよ〜!

鱈のコロッケ
バスク風チピロン(小イカ)
セップ、ムール、ポティロン...

マテ貝、烏賊...

ものすごい勢いで食べて飲んでおしゃべりして...
さっきまでの怒りはすっかり消えていた。
この日のレストランはバスク料理の人気店、POTTOKA。
スペインとフランスの美味しいところをミックスしたような
地方色豊かなバスク料理は、パリの食通のあいだでも人気がある。
ケータリング会社を運営するNちゃんも日々、新しいレストランの
開拓、料理の研究に余念がない。

いつも満席らしい
バスク名物
Brebisのチーズと黒サクランボのジャム
キャラメリゼした胡桃とマスカルポーネが絶品

大雨と交通渋滞のせいで、次のお客さんたちも遅れている様子。
しかりデザートまで食べて、早々にお会計する。
さて、どこへ繰り出そうか...といっても、この雨だし...。
けっきょく近所のNちゃんの家に行き、年代物のポルト酒を
開けて飲むことに。

美味しい〜!

極上のポルト酒のせいか、ハイヒールを脱いでカナッペの上で
まったり...真夜中の密談に盛り上がる。
1時...2時...、誰ひとり帰るといわない。
秋の夜長.....外は雨.....大人の時間。
やめられません。