友だちが福島の実家に戻るため、今月帰国することになった。
今年で在仏10年目を迎えるはずだったデザイナーのS。
実家は福島第一原発所から40キロ圏内。
家族はすでに山形県内の仮設住宅に非難しているという。
アトリエで仕事してくれたSは、わたしたちにとっていわば
戦友のような仲間。
フリーランスとして独立した後も、そのセンスと才能を買われ
名だたるメゾンで地道にキャリアを積みながら、ひたすら前向きに
夢に向かってがんばってきたのに...。
こころざし半ばでの帰国は、断腸の思いだったに違いない。
「帰る前にみんなで行きましょう」Sの提案で、かつての
アトリエの近所にあるレストランRobert et Louiseに仲間が
久しぶりに集まった。
そう、ここは打ち上げや誕生日、昼に夜にと、なにかしらある
たびにみんなでワイワイ大騒ぎをした思い出のレストラン。
アトリエの引っ越し以来、一度も来てないけれど...スタッフも
雰囲気も全然変わっていない。
「わ〜い、今夜は肉食べるぞ〜!」みんな食べる気満々!
肉料理はすべて店の奥の暖炉で焼かれる。
香ばしいにんにくの香りが...
エスカルゴ
肉汁がしたたる自家製ソーセージ
赤ワインが進むブダンノアール
素朴さがうれしい付け合わせのポテト
骨付きサーロイン肉、3人前!
うれしそうにカブリ付く肉食男子S
いつも満席の人気店
女主人パスカルも変わりなく...超ご機嫌!
昔はサービス担当だったアレックスも
いまやシェフに昇格
いやいやいや、食べた〜。
エスカルゴにソーセージ、ブダン...前菜からにんにく&バター、
ウ〜ッッ、もうひと月分のお肉を食べた気分だ。
さんざん食べて飲んで大笑いして、さ〜て二次会はどこに?!
長い人生、時には家族のために諦めなければならないこともあるよ。
長男だもの、当然の選択だ。
37歳。まだまだ、へ〜ッ?!てなもんだよ。
がんばれ〜、S!!
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