2012年3月11日日曜日

あれから一年...


3月11日、あの日から一年経った。
日本人にとって決して忘れることのできないこの日、それぞれが
哀悼の思いで祈っていることだろう。

パリでは地震発生の時刻に合わせて、エッフェル塔の真向かいに
広がるトロカデロ広場で追悼式が行われた。
日本との時差は8時間なので、こちらは早朝6時。
まだ月灯りががぼんやり浮かぶ中を、続々とパリ在住の日本人、
フランス人、そして旅行者たちが集ってくる。
高田賢三氏、ジェーン バーキン、ドラノエ パリ市長の姿も...。
広場の中央に献花台が設けられ、静かに6時46分を待つ。
黙祷...。

まだ暗い中...日本への思いを抱いて...

雲のかかったエッフェル塔が
弔意を表す半旗のようだ。

素晴らしい弔辞を読んだ賢三さん。

追悼式を終え、友人、知り合いへの挨拶も早々に家に戻る。
すっかり身体が冷えきってしまった。
熱々のショコラを飲んで、シャワーを浴びて大急ぎで仕度して
息子と一緒にHope & Love for Japanのチャリティイベント会場へ。




東日本大震災を期に、友人たちが立ち上げた日本支援のための
非営利団体Hope & Love for Japanは、この一年間パリで
さまざまなイベントを企画し義援活動を行なってきた。
今回はビューティをテーマに、有志で集ったパリ在住の美の
スペシャリストたちが来場者たちを癒し、美しく磨き上げて
収益金を集めるという試み。
集ったお金は全額、陸前高田の津波到達地点に桜を植樹して、
震災を後世に伝えていこうという「桜ライン311」プロジェクトに
寄付されることになっている。

会場は写真家のSatoshiさんが所有しているフォトスタジオ
ATELIER TOZFを全面的に開放してくれた。
フェイシャル&ボディマッサージ、ネイル、メイクアップ、
ヘアカット、まつ毛のエクステンション....
フォトグラファーによる写真撮影とBeauty menuも盛りだくさん。
Massato Paris、BH、ロレアルから寄付されたヘアプロダクツの
販売、TORAYAからは和菓子、いつも好評のLabo Love Japonは
桜のマカロンを提供してくれた。
お料理もフードコーディネーターのSさん指揮のもと、前日から
野菜を洗ったり刻んだり茹でたり...仕込み班がみんな総出で
準備した見た目も美しい春らしいメニュが。

会場には桜の木も
和やかな雰囲気でいい感じ

カルジェルペディキュア...

子どもたちもお手伝い

食べてしまうのが惜しい...
花びら寿司

桜のちらし寿司

春野菜の胡麻和え

わたしはMドンと並んで帳場、入り口で会計を担当。
来場者にまずは金券を買っていただき、会場内で好きに使って
もらうというシステム。
こまこま小銭で金券を買う人、ポ〜ンとお札を出して、釣りは
いらないよ!と言っていく、太っ腹な人...いろいろだ。
どっちにしても、すべて募金になる...大切なのは気持ちだ。

あれれ〜、今朝も追悼式で一緒だったR蔵が足湯マッサージで
メロメロになっている。
Jちゃんも魂が抜けちゃったみたいだ...みんなお疲れなのね。
わ〜い、M帆ちゃん家族、S夫妻も来てくれた。
Aちゃんは写真家Aさんに撮影してもらって大満足している。
ほ〜、いいな。
わたしも息子と一緒に撮りたいな...でも朝早かったしマスカラも
もうとくに落ちちゃってるし...やっぱりやめておこう。

ヘア、メイクの後は
フォトグラファーによる写真撮影

大人気だったネイルブース

ヘアも予約待ちで終日大盛況

スペースが足りなくて...
こんなところでもヘアカット

プロダクツもあっという間に完売!

日曜日ということもあって家族連れも多く、会場は終始なごやかで
リラックスした雰囲気に包まれていた。
朝の9時から19時までボランティアスタッフは、まともな休憩も
食事もとらずフル回転....素晴らしい。
被災地復興のために役立ちたいと思いながらも、ひとりではなにも
できないまま、なんの不自由なく暮らしていることに、どこか
後ろめたい思いがあったこの一年。
もしかしたら海外に暮らす日本人は、離れているからこそ祖国に
思いを寄せたいという気持ちが強いのかもしれない。

この日集った収益金は、総額7704.14EUROS。
桜の苗木164本分になるという。
いつかこの桜が成長して花を咲かせる頃、陸前高田をいちど
訪ねてみたいと思う。


0 件のコメント:

コメントを投稿