2010年8月15日日曜日

縁日


写真家の友だちAから深川のお祭りに行こうよとお誘い
がある。
明後日にはパリに帰るというのに、お祭りだなんて
そんなのん気なこと....断るつもりでいたが、考えて
みたら荷作りもほぼ終わっているし、大した用事もない。
息子はもちろん行きたがっている。
というわけで、AとボーイフレンドのHくん、パリから
ヴァカンスで東京に来ているデザイナーのKくんと娘の
Lちゃんという顔ぶれでし、深川の富岡八幡宮へ。



さすがは江戸三大祭にあげられている下町のお祭りだ。
スケールがちがう。
御神輿だってダイアモンドとルビーがごっそり付いてて、
なんだかインドのお祭りみたいだ。

夕方だというのに気温は33℃。
暑いのなんのって、息苦しいほど。扇子でパタパタやっ
たって気休めにしかならない。
たこ焼き食べて、ラムネ飲んで、射的にヨーヨーすくい
と子供たちも日本の縁日に目を輝かせていたけれど、さ
すがフランス育ちのLちゃんと息子にこの暑さは厳しすぎ
る。もう口数少なくぐったりだった。





2010年8月14日土曜日

2秒3


妹から最近できた気になる店があるから行こうとお誘い
がある。ビストロ「2秒3」。
外には看板も何もなく、夜になると人が出入りする得体の知れ
ないレストラン。
どうも飲食店らしい....予約なしじゃ入れないらしい...と近所
では不思議なうわさになっているらしい。

18時半、予約の時間ぴったりに中へ入るとカウンターに
は、大ザルに盛られたフレッシュな野菜&イケメン風の男
子が3名。どうも彼らがここのシェフらしい。
厨房に珍しいタイプだけど、、時おりカウンターのお客さ
んに笑みを向けたりしながらも、真剣な眼差しできびきび
料理している。
メニュはいま時のタパス系ビストロ料理とでも呼ぶのだろ
うか、ワインに合う和ベースの洋食。
厳選された旬の和食材をフレンチ風、イタリアン風にアレン
ジしていてどれも興味深い取り合わせだ。
さ〜て、なにを頼もうか....。モツのアラビアータに水ナスの
刺身、ラタトゥユの温泉卵、それから沖縄産モチ豚のママレー
ドローストもいいな。あとは最後に湘南産アサリのボンゴレ
パスタをオーダーしよう。
一瞬のうちにメニュが決まり、白ワインを飲みながらアミュー
ズのアンチョビのブルスケッタをつまむ。

モツとピリ辛トマトソースは相性もバッチリ
水ナスのプリプリの食感がたまらない
ラタトゥユと温泉卵....はっきり言ってわからない
オレンジの甘みが肉汁にまったり絡んで濃厚なソースに


お店の作りが隠れ家っぽいから、ちょっと期待しすぎたのかも
しれないけれど、そのわりに普通かな。
値段も手頃で雰囲気も悪くない。無難に美味しかったという印象。
でもお料理には、若いシェフたちの真摯な創作意欲と姿勢が感じ
られるので、がんばってくれ〜!とエールを送りたい。


2010年8月12日木曜日

かりんと


あ〜、久しぶりに二日酔い気味。
頭がグワ〜んと重くて異常にノドが乾いてる。

夕べ「よろにく」の食事が意外と早く終わったので、
もう一件行こうと赤坂の友だちの店でまた散々飲んだ。
そのうえここのオーナーシェフKさんの特製カレーま
で、夫とふたりでペロりと食べてしまったのだった。
こんな夜中に.....しかも子連れで私たちはなにをしてる
んだろう?!
でも東京に来ていてKさんの料理を食べずに帰るなんて、
温泉に来て温泉に入らず帰るようなもの。
絶対に外せない店なのだ。

Kさんの店「燻」は赤坂の路地裏、老舗ラブホや黒塗りの
ハイヤーが並ぶ料亭街にひっそり隠れ家のようにある。
Kさんはシェフとしてここで腕を振うと同時に、軽井沢に
も燻製工房を構え「風の仕業」という名前で燻製商品を手
がけている。
もうなんども来てるのに、夜で暗いし目印になるものがな
いのでいつも迷ってしまう。
携帯電話を片手にウロウロ探していると、奥さまのMさんが
店の外でニコニコ手を振って出迎えてくれた。

お盆休みに入ってるせいか、お店はほぼ貸し切り状態。
こんな時間に、しかも子供が来るような店じゃないのに....
と早々とおいとまするつもりだったのが、Kさん夫妻の
心遣いに甘えてすっかり和んでしまった。

息子のためにMさん特製ノンアルコールの桃のカクテル
コクとうまみが複雑に混じり合う仙台牛の特製カレー


楽しくて、ついつい調子にのってしまうわたしたち。
う〜、もうちょいウダウダ....なかなか出られないベッド
の中でちょっと反省。
今日はこれから茅ヶ崎に帰るのだ。
もう東京には戻ってこない。
最後に部屋をキレイに掃除しなくちゃ。
熱めのシャワーを浴びて、さ〜て掃除開始だ!


食べるのにちょうどいい小袋サイズ

麻布十番に住むの友だちY子ちゃんから手みやげに頂いた
かりんとう。正式な名前は「麻布かりんと」らしい。
なんでも行列ができるほど人気の店らしく、袋のデザイン
も小洒落ていてかわいい。
パリにもって帰るつもりでいたけれど、気になって思わず
食べてしまう。
上品な甘さの和三盆。やわらか抹茶はケーキの食感、きん
ぴらごぼうはピリ辛のごぼう風味が絶品。
種類はなんと50種類もあるそうで、あれもこれも意外な
組み合わせで食べてみたいものばかり。
こんな気の利いたものをさらっと選ぶY子ちゃんのセンス
には、いつも感心させられる。










2010年8月11日水曜日

よろにく


カウンターを陣取って、昼からサンマとイワシの刺身をつまみ
に生ビール。あ〜、しあわせ!
ふっと隣の青年の視線を感じて見ると、なんとパリの友だち
Sではないか。つい数週間前にもうちで一緒にごはんを食べた
夫の親しい仕事仲間だ。
「なにやってるの、こんなところで〜!」もうビックリ、カウン
ターの板さんもビックリで、こんな偶然ってホントにあるのだ。

お昼間から刺身&寿司三昧ですっかりいい気分になって、さて
ショッピングに出かけよう。
東急ハンズからスタートして渋谷をブラブラ。
ハンズはいつも何かしら面白いモノが見つかるからいい。
パルコとモビータは活気もなく、完全に死んでいる?! 
渋谷って、なんでこんな同じような安モノばかりの街になって
しまったんだろう。さすがにうんざりしてくる。
渋谷を早々に出て、西麻布の器や「桃居」へ。

いつも必ず気に入った器が見つかるお店

「桃居」は日本に帰国する際、必ず立ち寄る大好きな店のひとつ。
粉引や焼締など土を使った個性的な器が多く、使い込むうちに馴染
んでいく素朴な風合いがとても気に入ってる。
今回は思い切って粉引の平皿を一枚、自分へのご褒美?!に買う。


自分の買いものばかり付き合わせては、息子にすまない。
夏休みだもの、たまには子供らしい場所に行こう。
で、やってきたのが恐竜展。六本木ヒルズ森タワーの52階だ。
入場料を払って中に入ると、薄暗い照明の中で恐竜のお勉強。
発掘された化石や映像をみたりして、ようやく見晴らしのいい
展望台に行き着くと、そこから先に進むにはまた入場料を払え
という。
なんだかお金ばかり請求されて、とってもイヤな気分。
時間もないし展望台は次回またゆっくり来ようと、息子に
言い聞かせ、下のミュージアムショップを見て帰る。
せっかく気分よく見たのに.....後味が悪い。残念だ。


子供たちで賑わう恐竜展

夜は出版社時代にとてもお世話になったS社のK谷さんと奥さまで
女優のH子さんと、高樹町の焼き肉や「よろにく」で食事をする。
以前から小説も何冊か書き文壇デビューしているH子さん。
つい先月新刊が出たというので、お祝い気分で大いに盛り上がり
ついに3本目のボルドーがあけられる。




舌の上でとろける豊潤なお肉たち
路地裏にひっそり、隠れ家っぽい佇まい

ところでこの「よろにく」というお店、お肉が美味しいと
業界内でも有名らしい。
コースメニュで出されたお肉はイチボ、ヒレ、タン、ハツ
カルビ、ロース、ミスジ、サーロイン....と程よくサシの入っ
た繊細なお肉が少量ずつ、どれも本当に素晴らしい。
「牛肉の格付け等級の最高峰A5に指定された肉だけを使っ
ています」と、店の人も誇らし気だ。
なるほど〜、これだけまったりトロトロのお肉を食べたのに
全然胃がもたれない。これはお見事!
焼き肉やにもいろいろあるけれど、美味しいお肉を食べたい
時は、もう迷わずここに決まりだ。


2010年8月9日月曜日

蕎麦〜フカヒレ


帰国まで残すところ10日あまり。
日本滞在中に食べておきたいものをリストにあげて、会う友だち
に今夜はお寿司、明日はフカヒレと半強制的に付き合わせている
日が続いてる。
みんな、ありがとうね〜!

そんなわけで、今日はランチから飛ばし気味。
まずは六本木のそばや「本むら庵」へ行き、迷わずとろろ蕎麦を
注文する。
NYの店を閉めて今は六本木店のみと聞いていたけど、相変わらず
お客さんは外国人が多い。
それも昼間から冷酒に板わさなんてつまんで、サッとお蕎麦を食べ
て帰るような...江戸っコみたいなイキな外国人がいるから驚きだ。
なんて思って眺めていたら、ものすごい有名な写真家P氏だった。

息子がワサビデビュー。本モノのワサビなら好き!だと

午後は浅草橋あたりをショッピング。
問屋街、なにか掘り出しモノはないかな.....。
ブラブラみて歩くだけで楽しい。

夜は四半世紀の心の友、JくんとY子ちゃん、H部くん、そして妹の
K子というお気楽メンバーで恵比寿のフカヒレ専門店「筑紫楼」へ
行く。
もうこれ以上入りませ〜んってくらい料理を頼みすぎて、後半はみ
んな苦しくて口数も少なくなっていた気がする。
でもたっぷり一年分のコラーゲンを頂いたおかげで、お肌もプリ
プリ。カメラを忘れて写真が撮れなくて、残念だ。

食事の後みんなと別れて、再び六本木でお稽古帰りのフラメンコ
ダンサー、Jちゃんとお茶する。
この人も全然変わらない。相変わらずパワフルで元気いっぱいだ。

東京の夜は元気いっぱいの人が溢れていて、今日も眠らない。


真夜中の六本木に咲くほおずき

2010年8月5日木曜日

お伊勢参り


6時過ぎ頃、すっきり目覚める。

朝食の前にひと風呂浴びて、肌の調子も気分もバッチリ。
準備万端、今日も行くぞ〜。

この旅行も本日が最終日。
西日本横断!なんてはり切ってみたけど、とてもとても.....
日本は意外と広いのだ。
高松〜直島〜宮島〜広島〜大阪、そして最後の伊勢神宮と
5泊6日で6ケ所行ったことになるけれど、それほど慌た
だしかった印象もない。むしろローカル線を乗り継いで回
れたおかげで、それぞれの日常の風景をしっかり見ること
ができたような気がする。
電車で旅ができてよかった。

伊勢神宮.....話には聞いていたけれど、香しい檜の真新し宇治
橋を渡ると、そこは厳かな空気が漂う神々の領域。
樹齢千年の樹木からこぼれる日差しの下は、驚くほど清々しく、
やっぱり神さまが住んでいるところなのだと納得させられる。
まずは外宮から、そしてタクシーで5キロ離れた内宮へ向かい、
午前中のうちにお参りを済ませる。
パワースポットと呼ばれる神木や石があちこちにあるらしく、
時折人が固まってじっと手を触れているのですぐに判る。
わたしたちもしっかり触って、パワーを充電。
日本人は太古の時代から、自然と神さまとともに生きてきた民族
なのだと、いまさらながら実感させられたお伊勢参りだった。


樹齢千年の御神木から強いエネルギーが....

お参りのまえに、まずはお清めを....
建築の究極、極致的美と海外からも絶賛された
唯一神明造りの神殿



お参りを済ませて、いい気をたくさんもらったら、さっそく
ごはんを食べに行こう。
ということで、お土産やが並ぶ「おかげ横町」へ。
江戸から明治の伊勢の街にあった古い建物を、移築して再現
したというテーマパークのようなこの「おかげ横町」。
昔ながらの風情ある街並に、立ち食いつまみ食いできる店が
いくつも軒を連ねていてなかなか楽しい。
名物伊勢うどん、お寿司、みたらし団子、松坂牛コロッケ、
カキフライなどなど、暑さを忘れてはしごで食べ歩き。
最後の最後までしっかり食べて飲んで、もうどこまでも
際限なく続く我が家の夏旅行であった。


水まんじゅうも涼しげな演出

昔ながらの佇まいを残したカフェ
カキフライには黒ビールが合うらしい

2010年8月4日水曜日

鳥羽温泉


夕べは結局お疲れ気味で、ホテルから数分歩いたかっぱ
横町にある居酒屋「がたろ」に行く。
飲食店が立ち並ぶガード下の雑居街、なんだかいい感じ。
こういう場所にはハナが効く自信がある。
ガラガラと引き戸を開けると、厨房を囲んだカウンター
には焼酎や地酒の大瓶がずらり。壁には本日のお勧め料理
のお品書きがたくさん書いてある。もう一目でうまい店!
とわかる、もちろん満席だ。
うれしい〜。こういう店を探してたんだよ。

阪急梅田駅の裏手にある、レトロなかっぱ横町

まずは生ビール。
お刺身は本日のお勧めシマアジ、あおりイカ。
刺身にはやっぱり焼酎だ。宮崎産の麦焼酎、中々をロックでね。
それからタコ唐揚げに牛タンの塩焼き、自家製つくね、水なすと
おジャコのサラダ、あとは串揚げも追加して.....もうちょっと?!
で、締めは愛情おにぎりと稲庭うどん。
やっぱり大阪は美味しい! 大満足の夜だった。

あぶらがしっかりのった旬のシマアジ
大きなぶつ切りのタコ唐にも感激!
牛タンはピリ辛あっさり塩味で

そんなこんなで、今朝はのんびり起きて部屋でゴロゴロ。
ホテルで遅めの朝食を済ませ、昼の新幹線で名古屋に向かう。
ここでみえ号に乗り換え、今回の旅の最終目的地である伊勢
神宮へ行くのだ。
実は伊勢神宮、当初はまったく予定に入っていなかった。
広島から京都に入り、奈良を回る予定になっていたのだが、
出発の1週間前になって突然、夫が伊勢に行きたいと言いだし
たのだ。今からホテルなんてキャンセルできないだろうし....。
ダメもとで予定していたホテルグランヴィアに問い合わせた
ところ、3日前までならOKだという。
ならば、迷うことはない。
京都、奈良はまたいつでも来れるじゃないか。
突然だけど、お伊勢参りに行こう!となったのである。


途中、名古屋駅で駅弁を買って電車の中で食べる。
息子は「名古屋コーチン鳥飯」、私は幕の内。
夫の名古屋名物「みそかつ&えびふりゃ〜弁当」は、ものすごい
ボリューム。なんと1230キロカロリーだって!?
さすがに完食はできなかった。

見た目もマスキュラン?!な男子向け駅弁

三重県の県庁所在地。まぬけでカワイイ?!

早夕方、鳥羽に到着。
今夜は友だちが勧めてくれた鳥羽国際ホテルの別館に部屋がとれた。
純和風旅館、のんびり温泉につかって旅の疲れを癒そう。

食事は部屋で家族3人みず入らず。
伊勢エビ、あわび、松坂牛と....伊勢にも美味しいモノがあるある。
もうこんなにたくさん食べれませ〜んってくらいのごちそう三昧。
ちょうど食事が終わった頃には、ホテルの中庭で10分間の花火
サービスもあり、この日12歳の誕生日を迎えた息子に旅館から
小さなケーキが届くなど、至れり尽くせりの夜だった。

鳥羽国際ホテルの和風旅館、潮路亭

2010年8月3日火曜日

ヒロシマ


早朝、夫と二人で散歩。
さすがに7時前だと、まだ涼しく人もまばらで静かなもの。
昔ながらの街並を残す町家通りから神社の裏側に回り、階段
を上ったり降りたりブラブラ1時間ほど歩く。

驚いたことに大鳥居の下に人がいる。
あれれ? 鳥居って海の中にたってたはずじゃない?!
なんと干潮時になるとすっかり水が引いてしまうらしい。
さらにびっくりなのはこの大鳥居、ただ置かれているだけで
鳥居の重みで立っているそうだ。
これだけのおおきさだから、地震がきてもビクともしない
だろう。

神社の中には立派な能楽堂もある
なるほど....よくみるとバランスよくたっている

夕べはさすがに食べ過ぎた。
胃腸が消化不良を起こしているみたいだ。
今日はちょっと控えめに....心掛けましょう。
散歩のおかげで、気のせいか少し身が軽くなったかな?!
朝風呂に入り、旅館の朝食を軽く済ませて桟橋に向かう。
これから広島へ戻って、今日は原爆ドームに行くのだ。

正午すぎ、路面電車で平和公園に到着。
8月6日のセレモニーが近いこともあって、公園はすでに
イスがきれいに並べられ準備万端の様子だ。
広島の今日の気温は36℃。
路面電車を待つ駅は、日差しを遮るものがないから逃げ場が
まったくない。体感温度はもう40℃を越えてる〜?!
きっと私たちはいま、日本で一番暑い場所にいるはず。
とにかく水を飲まなければ、干涸びちゃう。
水、水、水分補給だ。

ここは素通りするわけにはいかなかった。
この暑い日にヒロシマに来て、息子にも戦争の愚かさや核の
恐ろしさを考えさせるいい機会じゃないかと思ってやってき
たのだ。
ドームの周辺を廻って、隣接された平和記念資料館へ行く。
入場料大人50円、子供30円。希望者には地元のボランティ
アが無料でガイドをしてくれる。
外国人もたくさん来ていて、言葉少なく悲痛な面持ちで飼料館
の中を進んで行く。
12歳の息子にはちょっと厳しかったと思うけれど、親子で
一緒に来ることができてよかった。

広島を後に、またまた新幹線で大阪へ移動。
昼ご飯が軽かったから、ちょっと小腹がすいた。
名物駅弁のあなごめしを買って、新幹線の中で食べよう。
今日の日程もすべて予定通りに終了だ。
わたしたちって、ユウシュウ〜!
大阪に着いたら、なにを食べよう?
ここも美味しいものがたくさんあるからな.....。


ホッカホカで売っている広島名物のあなごめし弁当
2切れの奈良漬け、これがあなごと絶妙の相性なのだ!

2010年8月2日月曜日

真夏の宮島


カーテンからこぼれる柔らかい朝の光に目が覚める。
6時40分、部屋のバルコニーからは朝日に輝く瀬戸内海が
一望できる素晴らしいロケーション。
この部屋にはテレビがない。パソコンも電話もない。
あるのは建築、アート関係の本が数冊、それにラジオだけ。
ラジオからはFM高松が今日のお天気を伝え、軽快なj-popが
流れている。
こんな風にラジオに耳を傾けるのは何年ぶりだろう..... しかも
こんな静かな朝に。
しばし現実から離れて....たまにはこんな朝もいいなと思う。
ベネッセハウスはなかなか快適だ。
宿泊客と程よい距離を置いたサービスが、私たちにはなかなか
心地いい。

早起きのおかげで、ホテル周辺の海辺を3人で散歩する。
今日も暑い一日になりそうだ。


草間弥生のカボチャは、子供たちにも大人気

再びフェリーで宇野港へ向かう。
昨日は高松から直島に入ったけれど、帰りは本州側に渡って
岡山経由で広島に行くのだ。

12時半、新幹線で広島に到着。
さっそくお好み焼きを食べる。
驚くほどのキャベツの量、ちょっと甘めのソースもたっぷりかかって
ものすごいボリュームだ。
お腹がペコペコで、しっかり食べるぞ〜!と意気込んでいたけれど、
途中でギブアップ。美味しかったけれど、ソース味って意外と飽きる
のかも.....?!


どこにいってもお好み焼きはカープソース
おたふくじゃないのね?!

再びローカル線に乗ること30分、またまたフェリーに乗り換えて
10分。ついに宮島桟橋へ到着した。
今朝の10時にはまだ香川県の直島にいたというのに、13時半には
もう宮島に着いているなんて....すべてが予定通り。
しかも途中でしっかりお好み焼き&生ビールのランチもできたし、
電車の中は涼しくて読書に最適。乗り継ぎの移動も思ったよりスムー
ズでまったく苦にならない。
逆にローカル線の中では、地方色の豊な個性的な人や街が垣間みれて
けっこう面白い発見があるのだ。電車の旅がすっかり気に入った。

そんなこんなで、桟橋で出迎えてくれた旅館の車で今夜の宿へ。
まずはひと休みとしよう。

海風に揺れる神棚の御幣

いつか行ってみたいと思っていた厳島神社。
海に浮かぶ神秘的で厳かな佇まいは、長いこと私の心を引き
つけていた憧憬の地だったはず。
でも.... 正直言って、ちょっと期待ハズレ?!
というのも、灼熱の日差しに海から吹く熱風。人も多すぎるし、
心なしか水が臭っているような....神秘的とはほど遠いじゃないか。
そういえば、夏のヴェニスもそうだった。
ひどくがっかりしたのを思い出す。
やっぱり時期が悪かったかもしれない。
日本三景、秋の宮島というくらいだから、紅葉の季節が最高な
のだろう。
でも雪がチラつく真冬の厳島神社も厳かでいい。
冷たい海の風に晒されながら、煩悩を捨て身を清めるのだ。
これこそ私のイメージにぴったり。
そう、ここはいつかまた別の季節に出直して来よう。


かき氷、牡蠣飯のおむすびも....

焼牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣グラタン.....

あなごちくわをつまみに、生ビールもういっちょ〜!


世界遺産に指定されているだけに、外国人の旅行者も多く、
目抜き通りの飲食店お土産やはどこも賑わいでいる。
広島も美味しいモノのが山ほどある。
牡蠣、アナゴ、鮎鮨、のどぐろの干物に広島菜漬、もも....。
食べ歩きの屋台がたくさん出ていて、目移りしてしまう。
あれも食べたい、これも食べたい!
もう旅館の晩ごはんなんて、入らないかも〜。
と心配したけれど、最後のあなごご飯までしっかり完食。
目先にこう美味しいモノばかり並べられちゃうとね、もう
どうしようもないです。
今さらだけど、自分の食欲にすっかり呆れる。
今日もたいへん美味しゅうございました。


薄味で上品に炊かれたアナゴごはん

2010年8月1日日曜日

直島


長旅の疲れもなく、早めの起床。
9時にはホテルを出て高松港へ向かう。
これからフェリーに乗って直島へ行くのだ。
宿泊はもちろんベネッセハウス。
ラッキーなことに、瀬戸内海が一望できる高台にあるオバール棟
の部屋が取れたのだ。

太陽に燦々と輝く瀬戸内海は、眩しいほどきれい。
緑に覆われた小さな島々がポツポツと点在し、なんとも麗らかな
風景。はじめての瀬戸内海にすっかり感動する。



宮浦港では、草間先生のカボチャがお出迎え

取りあえず、ホテルにチェックイン。
荷物を預けて、すぐに「家プロジェクト」巡りに出かける。
空き家になった民家を使って、空間そのものをアーティストたちが
作品にしているこの「家プロジェクト」。
まずは農協でパスを購入した後、昔ながらの風景を残す町の中を、
地図片手に1軒ずつ歩いて回るというもの。
なんて面白い企画だろう。
暑さなんて思わず忘れて、ワクワクしてしまう。
しかもこの家巡り、直島の町民が一体になって道案内やサービスに協
力を惜しまない。
路地のあちこちに立っている道案内のオジさん、「冷たいお茶ありま
す」と書かれた民家を入ると、町内会のオバちゃんたちが無料で冷め
たい麦茶を飲ませてくれるなど、島の人たちの温かさはお金に換えら
れない島の誇りだと感心した。


古い民家がそのままの姿でカフェに
懐かしいタバコ屋さん

家プロジェクトの後は、地中美術館へ。
夕方早めにホテルに戻り、ウェルカムドリンクのバーへ行く。
なんとピンクシャンパンでお出迎え?!
サンセットにはすこし早いけど、傾きかけた大きな太陽を眺めなが
らのんびりと過ごす。

夕飯はホテルのフレンチレストランで。
ステラマリスの吉野さんがプロデュースしているらしい。
日本人向きに繊細にアレンジされたお料理もサービスも、本当に素
晴らしかった。
ごちそうさまでした。